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狂い咲く花
第44章 四、海蘭擬 - 偽りのない心
───…
「麻耶は美弥に会いたがってる…謝りたいってな。それまで頑張って蘭子を育てるんだって頑張ってるよ。…少し変わったよ。麻耶は…昔みたいに子供じゃなくなった。ちゃんと大人になろうと頑張ってる」
「俺が…言える立場じゃないけど…幸せになって欲しい…前みたいに笑ってほしい」
優しい笑顔で葉月は告げた。
その表情を見た父様はどこかホッとする。
「お前も美弥と幸せになれ。お前も俺の息子だ。3人の幸せを祈ってる」
父様の一言が葉月の心に響く。
迷いそうなとき、躓いた時、そっと手を差し伸べて正しい方向へと導いてくれる。
それに報いたいと葉月は思う
「はい。幸せになります。」
父様は嬉しそうに葉月の頭を撫で美弥が起きる前に帰って行った。