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狂い咲く花
第45章 四、吾亦紅 - 移りゆく日々
「これ、もう一つ貰ってどうするの?キミちゃんが食べるの?」
キミは首を横に振り小さな声で葉月に答えた。
「あの…あのお姉ちゃんに持っていきたいの…」
あのお姉ちゃん。
それが美弥を指していることはすぐに分かった。
しかし、心を持たない美弥を子供たちと会わせて負担にならないだろうかと心配する。
「キミちゃん、それ良いね」
「みんなで持っていこうよ」
「一人じゃ寂しいもんね」
葉月の心など知らずに子供たちは盛り上がり始めた。
その言葉に勇気を貰ったかのように、キミは葉月の手の中から饅頭を一つ取り、外に走りだした。
その後を子供たちが全員で追いかける。
「待ちなさい!!」
止めようと言葉を掛けても夢中になった子供たちに届くはずもなく、急いで後を追う。
追いついた時には、子供たちは美弥を囲っていた。
「お姉ちゃん、一緒に食べよう?」
キミが饅頭を美弥に差し出したが、その手を取るはずもなかった。
いつものように、ただそこにいるだけ。
子供たちは不思議がりながらも美弥を囲い、いつものようにしゃべりだした。
美弥が喋らなくても子供たちには関係ないようだった。
キミが動かない美弥の手に饅頭を乗せて、自分の饅頭を食べるそぶりを見せる。
こおやって食べるんだよ、と教えてるようだった。
しかし、それが通じることもない。
一瞬寂しそうな表情を見せたキミだったが、それでも美弥の傍に寄り添い饅頭を食べはじめた。
キミは首を横に振り小さな声で葉月に答えた。
「あの…あのお姉ちゃんに持っていきたいの…」
あのお姉ちゃん。
それが美弥を指していることはすぐに分かった。
しかし、心を持たない美弥を子供たちと会わせて負担にならないだろうかと心配する。
「キミちゃん、それ良いね」
「みんなで持っていこうよ」
「一人じゃ寂しいもんね」
葉月の心など知らずに子供たちは盛り上がり始めた。
その言葉に勇気を貰ったかのように、キミは葉月の手の中から饅頭を一つ取り、外に走りだした。
その後を子供たちが全員で追いかける。
「待ちなさい!!」
止めようと言葉を掛けても夢中になった子供たちに届くはずもなく、急いで後を追う。
追いついた時には、子供たちは美弥を囲っていた。
「お姉ちゃん、一緒に食べよう?」
キミが饅頭を美弥に差し出したが、その手を取るはずもなかった。
いつものように、ただそこにいるだけ。
子供たちは不思議がりながらも美弥を囲い、いつものようにしゃべりだした。
美弥が喋らなくても子供たちには関係ないようだった。
キミが動かない美弥の手に饅頭を乗せて、自分の饅頭を食べるそぶりを見せる。
こおやって食べるんだよ、と教えてるようだった。
しかし、それが通じることもない。
一瞬寂しそうな表情を見せたキミだったが、それでも美弥の傍に寄り添い饅頭を食べはじめた。