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狂い咲く花
第45章 四、吾亦紅 - 移りゆく日々

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「はい。今日はこれで終わり!!」

早く美弥の傍に行きたくて、終わりの声を掛けると富子が一目散に美弥の元に走った。

「お姉ちゃん、ありがとう」

美弥は微笑み、座り込んで腕の中で眠っているフミを渡した。
その周りに子供たちが集まり思い思いに話をする。
美弥は一人一人の話を聞き、頷きながら微笑んでいた。
今にも抱きしめたい思いを押し留め、子供たちと楽しそうに話す美弥を見守る
子供たちの無垢な心が美弥を救ったような気がしてならなかった。
大人たちの色々な思いが蠢く冷たい、そして残酷な世界を閉ざした美弥を引き戻したのは、無垢で純粋な子供たちではないのかと。

「ねぇてば。先生!!」

一人の女の子が葉月に声を掛けていたのに気が付かなかった。
近くに行き、しゃがんで何かと訪ねれば、女のは顔を赤らめて口を開いた。

「先生と、お姉ちゃんって恋人同士なの?」

いきなり言われ葉月は顔を赤らめ、美弥を見上げた。
美弥も顔を赤らめて子供たちの棘のない質問に困惑していた。

「そうだよ。先生とお姉さんは恋人同士だよ」

葉月は迷なく答える。
その言葉に子供たちは興奮し色々と聞きたがったが、恥ずかしさと美弥に負担をかけさせたくないのもあり帰らせることにした。
子供たちはもっと話したいようだが、美弥の「またね」の言葉に渋々帰っていった。
残されたのは美弥と葉月。
漸く2人になれた…

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