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狂い咲く花
第45章 四、吾亦紅 - 移りゆく日々
「美弥…」
葉月は、やっとそれだけを口にする。
言いたいことはいっぱいあった。
しかし、急なことで何を話せばいいのか分からず困惑した。
そんは葉月を見て、美弥は葉月の手に自分の手を添えて伝えた。
「ずっと…いるから…。子供たちにお勉強を…」
「美弥…」
「…子供たちが待ってる…大丈夫…もうどこにもいかない」
握る手に少し力を入れると、その手を離してフミをあやし始める。
その後ろ姿を愛おしそうに見ていた。
「先生?」
富子が葉月に声を掛けると、葉月は涙を拭い元気な声をあげた。
「よし。富子。フミは、あのお姉ちゃんに任せて勉強しよう」
富子の背中に手を添えて学び舎の中に入って行く。
初めはザワザワとした室内も時間がたてばいつものように静かに授業が進む。
しかし、葉月の心は穏やかではない。
直ぐにでも抱きしめたい衝動を抑えながら授業をしていれば身が入らないのは当然で、チラチラと美弥を目で追っているのを子供たちに悟られ、何度も子供たちに叱られる。
その姿を美弥に目撃され、美弥も微笑んでいた。
葉月は、やっとそれだけを口にする。
言いたいことはいっぱいあった。
しかし、急なことで何を話せばいいのか分からず困惑した。
そんは葉月を見て、美弥は葉月の手に自分の手を添えて伝えた。
「ずっと…いるから…。子供たちにお勉強を…」
「美弥…」
「…子供たちが待ってる…大丈夫…もうどこにもいかない」
握る手に少し力を入れると、その手を離してフミをあやし始める。
その後ろ姿を愛おしそうに見ていた。
「先生?」
富子が葉月に声を掛けると、葉月は涙を拭い元気な声をあげた。
「よし。富子。フミは、あのお姉ちゃんに任せて勉強しよう」
富子の背中に手を添えて学び舎の中に入って行く。
初めはザワザワとした室内も時間がたてばいつものように静かに授業が進む。
しかし、葉月の心は穏やかではない。
直ぐにでも抱きしめたい衝動を抑えながら授業をしていれば身が入らないのは当然で、チラチラと美弥を目で追っているのを子供たちに悟られ、何度も子供たちに叱られる。
その姿を美弥に目撃され、美弥も微笑んでいた。