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狂い咲く花
第49章 四、昼顔 – 絆
「葉月、麻耶を本堂に連れてきなさい。美弥は麻耶が着る服を持って本堂に」
このまま冷たい雨に晒しておくわけにはいなかいと和尚が指示を出すが美弥は動こうとしなかった。
グイッと美弥の腕を引き、自分の方に意識を向けさせる。
「風邪をひかせる気か?麻耶を思うならば動きなさい」
「あっ…はい!」
和尚の言葉で美弥と葉月は動き出した。
抱きかかえた麻耶を連れて和尚と葉月は本堂に向かう。
「鉄斎!鉄斎はいないか!」
本堂に近づくと和尚が鉄斎を呼ぶ。
慌ただしい足音が聞こえ、鉄斎と妙仁が姿を現した。
葉月の腕の中でぐったりしている麻耶を見て全てを察した二人は、指示が出る前に口を開く。
「布団の用意をさせます。乾いた布と暖かいお湯も…着物はどうしましょう」
「それは美弥が持ってくるから心配はいらん。それと妙仁は相良家に行って両親を連れてきないさい。他に必要ならば自分で判断せよ」
その言葉で一斉に動き出す。
めったに声を荒げることのない和尚の気配を感じた他の僧侶たちも集まり、手分けして必要なことに取り掛かった。
本堂に上がると麻耶を布団に横たわらせ、濡れた衣服を脱がせて布団で包み、火鉢の傍で葉月は麻耶抱きしめる。
冷えきってしまった身体は簡単には温まらない。
暖かいお湯が運ばれてくれば、それで身体を暖め体温を上げようと必死に看病する。
その様子を、後から来た美弥と蘭子はただ見てるだけしかできなかった。
「どうした?蘭子」
部屋の隅で震えて泣いている蘭子を目にして和尚は話しかけた。
「母様…死ぬの?」
その一言に、一斉に蘭子の方を向いた。
このまま冷たい雨に晒しておくわけにはいなかいと和尚が指示を出すが美弥は動こうとしなかった。
グイッと美弥の腕を引き、自分の方に意識を向けさせる。
「風邪をひかせる気か?麻耶を思うならば動きなさい」
「あっ…はい!」
和尚の言葉で美弥と葉月は動き出した。
抱きかかえた麻耶を連れて和尚と葉月は本堂に向かう。
「鉄斎!鉄斎はいないか!」
本堂に近づくと和尚が鉄斎を呼ぶ。
慌ただしい足音が聞こえ、鉄斎と妙仁が姿を現した。
葉月の腕の中でぐったりしている麻耶を見て全てを察した二人は、指示が出る前に口を開く。
「布団の用意をさせます。乾いた布と暖かいお湯も…着物はどうしましょう」
「それは美弥が持ってくるから心配はいらん。それと妙仁は相良家に行って両親を連れてきないさい。他に必要ならば自分で判断せよ」
その言葉で一斉に動き出す。
めったに声を荒げることのない和尚の気配を感じた他の僧侶たちも集まり、手分けして必要なことに取り掛かった。
本堂に上がると麻耶を布団に横たわらせ、濡れた衣服を脱がせて布団で包み、火鉢の傍で葉月は麻耶抱きしめる。
冷えきってしまった身体は簡単には温まらない。
暖かいお湯が運ばれてくれば、それで身体を暖め体温を上げようと必死に看病する。
その様子を、後から来た美弥と蘭子はただ見てるだけしかできなかった。
「どうした?蘭子」
部屋の隅で震えて泣いている蘭子を目にして和尚は話しかけた。
「母様…死ぬの?」
その一言に、一斉に蘭子の方を向いた。