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狂い咲く花
第49章 四、昼顔 – 絆
「ありがとう…」
もう一度、麻耶を抱きしめて「ありがとう」と告げた。
「言葉にすると簡単なのにね…もっと早く言葉にしてればよかったね。…もうお互いに謝るのはやめよう…。きりがないよ」
「うん…姉様…ありがとう…私を許してくれて…ありがとう」
美弥の背中に腕を回し麻耶も「ありがとう」と告げ、顔を見合わせ微笑む姿は昔と変らなかった。
「母様…?」
母様の膝の上で眠っていた蘭子が目を覚まし、起き上がっていた麻耶を見つけると一目散に麻耶に抱きついた。
「ごめんなさい…嫌いなんて言ってごめんなさい…蘭子のこと嫌いになんないで」
声を上げて泣きながら何度も「ごめんなさい」と口にする。
麻耶はそんな蘭子を抱きしめる。
「分かってるから…嫌いにならないから安心して」
その言葉に安心したのか蘭子は力強く麻耶を抱きしめた。
そんな三人の姿を父様と母様は声を挟まず見守った。
自分たちの出る幕はないと大人になった子供たちを誇らしげに、そして少し寂しく思いながらこれからふたりの幸せを願っていた。
辛い想いばかりしてきたふたりの人生が笑顔に包まれた日々でありますようにと願わずにはいらなれなかった。
もう一度、麻耶を抱きしめて「ありがとう」と告げた。
「言葉にすると簡単なのにね…もっと早く言葉にしてればよかったね。…もうお互いに謝るのはやめよう…。きりがないよ」
「うん…姉様…ありがとう…私を許してくれて…ありがとう」
美弥の背中に腕を回し麻耶も「ありがとう」と告げ、顔を見合わせ微笑む姿は昔と変らなかった。
「母様…?」
母様の膝の上で眠っていた蘭子が目を覚まし、起き上がっていた麻耶を見つけると一目散に麻耶に抱きついた。
「ごめんなさい…嫌いなんて言ってごめんなさい…蘭子のこと嫌いになんないで」
声を上げて泣きながら何度も「ごめんなさい」と口にする。
麻耶はそんな蘭子を抱きしめる。
「分かってるから…嫌いにならないから安心して」
その言葉に安心したのか蘭子は力強く麻耶を抱きしめた。
そんな三人の姿を父様と母様は声を挟まず見守った。
自分たちの出る幕はないと大人になった子供たちを誇らしげに、そして少し寂しく思いながらこれからふたりの幸せを願っていた。
辛い想いばかりしてきたふたりの人生が笑顔に包まれた日々でありますようにと願わずにはいらなれなかった。