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狂い咲く花
第51章 四、虎百合 – 私を愛して
「姉様。葉月と結婚するの?」
蘭子と一緒に折り紙をしていた麻耶が美弥に聞いた。
「母様がうれしそうに話してたよ。今度正式に挨拶に来てくれるって」
美弥はどきりとして言葉が出なかった。
「大丈夫よ…。それが本当だったらお祝いしなきゃね」
麻耶が優しい顔で告げた。
その表情が母様と重なる。
日を増すごとに母の自覚が目覚めたのか、時折見せる麻耶の仕草が母様と重なることが多くなる。
それが母になること。
それが子供を生んだ女性なのだと、少し寂しくも悲しく思えた。
宝賀と体を交わっていた時、何度ともなく中に出されるが身篭ることはなかった。
身篭らなかったことに安堵するも、もしかしたら子供が生めない身体なのではないかと不安にもなっていた。
葉月の子供が身篭れないと思うと、本当に結婚していいのかと悩んでしまう。
それが、結婚に踏み切れない理由の一つだった。
そうしてもう一つの理由は…
「麻耶は…それでいいの?私が…葉月と結婚して嫌じゃない?」
ずっと思っていたことを口にする。
聞きたくても聞けなかった麻耶の本心。
麻耶を狂わせてしまった要因。
「葉月は大事…。だけど、葉月は私に宝物をくれた…蘭子という宝物。それがあれば私は大丈夫…。それよりも姉様には幸せになってほしい…私が言える立場じゃないのかも知れないけど…姉様には幸せになってほしいの。それは葉月にしかできないから…」
それを告げると、麻耶は美弥に抱きつく。
いつものように、美弥の首筋に頭を乗せ、擦り寄っていく。
美弥も麻耶の背中に背を回し、抱擁する。
蘭子と一緒に折り紙をしていた麻耶が美弥に聞いた。
「母様がうれしそうに話してたよ。今度正式に挨拶に来てくれるって」
美弥はどきりとして言葉が出なかった。
「大丈夫よ…。それが本当だったらお祝いしなきゃね」
麻耶が優しい顔で告げた。
その表情が母様と重なる。
日を増すごとに母の自覚が目覚めたのか、時折見せる麻耶の仕草が母様と重なることが多くなる。
それが母になること。
それが子供を生んだ女性なのだと、少し寂しくも悲しく思えた。
宝賀と体を交わっていた時、何度ともなく中に出されるが身篭ることはなかった。
身篭らなかったことに安堵するも、もしかしたら子供が生めない身体なのではないかと不安にもなっていた。
葉月の子供が身篭れないと思うと、本当に結婚していいのかと悩んでしまう。
それが、結婚に踏み切れない理由の一つだった。
そうしてもう一つの理由は…
「麻耶は…それでいいの?私が…葉月と結婚して嫌じゃない?」
ずっと思っていたことを口にする。
聞きたくても聞けなかった麻耶の本心。
麻耶を狂わせてしまった要因。
「葉月は大事…。だけど、葉月は私に宝物をくれた…蘭子という宝物。それがあれば私は大丈夫…。それよりも姉様には幸せになってほしい…私が言える立場じゃないのかも知れないけど…姉様には幸せになってほしいの。それは葉月にしかできないから…」
それを告げると、麻耶は美弥に抱きつく。
いつものように、美弥の首筋に頭を乗せ、擦り寄っていく。
美弥も麻耶の背中に背を回し、抱擁する。