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狂い咲く花
第52章 四、躑躅(赤) – 愛の喜び
隣に眠っているはずの美弥の姿がなくて葉月は目を覚ました。
厠に行ったのかと思ったが、美弥が寝ていた場所がヒンヤリとしていて人が寝ていた形跡がない。
身体を起こし部屋の中を見ても美弥の姿が見当たらなかった。
外に出て厠にも行ってみたが美弥の姿はどこにもない。
どこにいったのかと寺の中を探し回ったが見つけることはできなかった。
変な胸騒ぎがし、嫌な予感が葉月をかすめる。
とてつもない恐怖が足元から登ってくるような感覚に襲われて身体の芯から震えが起こり、自然と足が寺の外に向いた。
どことは分からなかったが足が勝手に向かい、その先に美弥はいると確証する。
徐々に早くなる足に、息を乱しながら一心不乱で自分の感を頼りに走る。
寒い冬空の下、嫌な汗が体中から噴き出しはじめた。
「逝くなっ…」
無意識に、そう言葉がでてギョッとした。
どうしてそう思ったのかなんて分からないが、ここで見つけないと二度と会えない気がしてならなかった。
美弥が麻耶を生きて連れ戻してと願った時と同じではないかと、葉月に恐怖が襲う。
走っていると、自分がどこに向かっているのか分かってきた。
そこに必ず美弥はいると感じた。
暗い森を走り、木の根に足を取られながらも懸命に美弥の元に走った。
遠くに月の光が見える。
そこが湖だと葉月に知らせた。
どうか無事でいてくれと願いながら森を抜けると、目の前に広がる湖の中に、美弥の姿を見つけた。
厠に行ったのかと思ったが、美弥が寝ていた場所がヒンヤリとしていて人が寝ていた形跡がない。
身体を起こし部屋の中を見ても美弥の姿が見当たらなかった。
外に出て厠にも行ってみたが美弥の姿はどこにもない。
どこにいったのかと寺の中を探し回ったが見つけることはできなかった。
変な胸騒ぎがし、嫌な予感が葉月をかすめる。
とてつもない恐怖が足元から登ってくるような感覚に襲われて身体の芯から震えが起こり、自然と足が寺の外に向いた。
どことは分からなかったが足が勝手に向かい、その先に美弥はいると確証する。
徐々に早くなる足に、息を乱しながら一心不乱で自分の感を頼りに走る。
寒い冬空の下、嫌な汗が体中から噴き出しはじめた。
「逝くなっ…」
無意識に、そう言葉がでてギョッとした。
どうしてそう思ったのかなんて分からないが、ここで見つけないと二度と会えない気がしてならなかった。
美弥が麻耶を生きて連れ戻してと願った時と同じではないかと、葉月に恐怖が襲う。
走っていると、自分がどこに向かっているのか分かってきた。
そこに必ず美弥はいると感じた。
暗い森を走り、木の根に足を取られながらも懸命に美弥の元に走った。
遠くに月の光が見える。
そこが湖だと葉月に知らせた。
どうか無事でいてくれと願いながら森を抜けると、目の前に広がる湖の中に、美弥の姿を見つけた。