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狂い咲く花
第52章 四、躑躅(赤) – 愛の喜び
何を言っても、どんなに大切に思っていても、今の美弥の心には響かない。
心の底に生れた闇は、そう簡単に消えてなくなるものではないと今頃になって気がついた。
心と身体の両方が満たされなければ、美弥の闇は消えないと葉月は思い知る。
「愛してるよ、美弥。結婚してから抱きたいと思っていた。けど美弥が望むのなら抱きたい…。だから戻ろう?」
望むのなら抱きたいと告げた。
「ここで…ここで抱いてください…今ここで」
葉月の襟元を握り締めている手が震え美弥の思いが伝わる。
「いいよ…けど外は寒いから、あの小屋に入ろう…それでいい?」
美弥は頷いた。
それを確認した葉月は美弥の手を引いて湖を出て小屋に向かった。
途中で拾った火種で火を起こし部屋を暖める。
部屋の中は物が乱雑に置かれてあり、一対の布団が壁際に置かれていた。
それを敷いて美弥を座らせた。
「まずは温まって…」
事を始めようとしない葉月を見て美弥は失望する。
ここまできても抱いてはくれないのかと。
それを感じ取った葉月は、美弥の後ろに廻り抱きしめて両手を炎に翳した。
「俺の手冷たいんだよ。そんな手で美弥の身体を触れないよ。まずは温まって…それから美弥を愛したい。身体の隅々まで愛してあげるから。待っていて。」
心の底に生れた闇は、そう簡単に消えてなくなるものではないと今頃になって気がついた。
心と身体の両方が満たされなければ、美弥の闇は消えないと葉月は思い知る。
「愛してるよ、美弥。結婚してから抱きたいと思っていた。けど美弥が望むのなら抱きたい…。だから戻ろう?」
望むのなら抱きたいと告げた。
「ここで…ここで抱いてください…今ここで」
葉月の襟元を握り締めている手が震え美弥の思いが伝わる。
「いいよ…けど外は寒いから、あの小屋に入ろう…それでいい?」
美弥は頷いた。
それを確認した葉月は美弥の手を引いて湖を出て小屋に向かった。
途中で拾った火種で火を起こし部屋を暖める。
部屋の中は物が乱雑に置かれてあり、一対の布団が壁際に置かれていた。
それを敷いて美弥を座らせた。
「まずは温まって…」
事を始めようとしない葉月を見て美弥は失望する。
ここまできても抱いてはくれないのかと。
それを感じ取った葉月は、美弥の後ろに廻り抱きしめて両手を炎に翳した。
「俺の手冷たいんだよ。そんな手で美弥の身体を触れないよ。まずは温まって…それから美弥を愛したい。身体の隅々まで愛してあげるから。待っていて。」