この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
狂い咲く花
第8章 一、榛 - 過ち
「麻耶…」
やっとのことで名前を口にすると、腕の中から顔を出して無邪気な笑顔が葉月を見つめた。
「なぁ~に?」
その笑顔は今は凶器でしかなく、葉月の心に突き刺さってくる。
自分が仕出かしたことの大きさに愕然とした。
「葉月…愛してる…葉月も言って?」
その言葉に蘇るのは美弥を思って何度も口にした言葉だった。
麻耶でなはく美弥に紡いだ愛の言葉。
所々思い出していく中でも思い出す顔は美弥。
完全に美弥を今でも抱いたと錯覚してしまうほどだった。
だけど現実は麻耶。
抱いてしまったのは美弥ではなく麻耶だった。
何度も何度も同じことを頭で繰り返し考えようとしても答えがでることはなかった。
「麻耶…とりあえず、着物着ようか…それから…」
麻耶に着物を羽織らせてながら言葉を選ぶ。
間違えたのは自分。
麻耶は何も悪くないのだから傷つける事だけはできないと慎重に言葉を選ぼうとした。
「この事は秘密!!だよ。知られたら鬼に食べられちゃう」
麻耶が楽しそうに話し出す。
何を思ってそんなことを言うのか分からなかったが、自分から秘密と言い出す麻耶に少なからずホッとする。
「うん。俺と麻耶の秘密だよ。」
今はそう言うしかなかった。
頭の中がぐしゃぐしゃで何をどう考えていいのか分からない今、答えを出すべきでなはいと判断した。
だけど、このまま何もなかったかのように全てが終わるわけもないと予感した。
やっとのことで名前を口にすると、腕の中から顔を出して無邪気な笑顔が葉月を見つめた。
「なぁ~に?」
その笑顔は今は凶器でしかなく、葉月の心に突き刺さってくる。
自分が仕出かしたことの大きさに愕然とした。
「葉月…愛してる…葉月も言って?」
その言葉に蘇るのは美弥を思って何度も口にした言葉だった。
麻耶でなはく美弥に紡いだ愛の言葉。
所々思い出していく中でも思い出す顔は美弥。
完全に美弥を今でも抱いたと錯覚してしまうほどだった。
だけど現実は麻耶。
抱いてしまったのは美弥ではなく麻耶だった。
何度も何度も同じことを頭で繰り返し考えようとしても答えがでることはなかった。
「麻耶…とりあえず、着物着ようか…それから…」
麻耶に着物を羽織らせてながら言葉を選ぶ。
間違えたのは自分。
麻耶は何も悪くないのだから傷つける事だけはできないと慎重に言葉を選ぼうとした。
「この事は秘密!!だよ。知られたら鬼に食べられちゃう」
麻耶が楽しそうに話し出す。
何を思ってそんなことを言うのか分からなかったが、自分から秘密と言い出す麻耶に少なからずホッとする。
「うん。俺と麻耶の秘密だよ。」
今はそう言うしかなかった。
頭の中がぐしゃぐしゃで何をどう考えていいのか分からない今、答えを出すべきでなはいと判断した。
だけど、このまま何もなかったかのように全てが終わるわけもないと予感した。