この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
狂い咲く花
第8章 一、榛 - 過ち
─…
──…
───…
まだ夜が明けきる前、葉月は人の温もりで目を覚ます。
お酒の飲みすぎで頭が痛かった。
記憶を辿っていくと途中からの記憶が全くない。
腕の中になぜ美弥がいるのかも分からなかった。
それでも、身体に残る倦怠感と男独特の臭いで夜中に何があったのか想像はついた。
だけど、記憶がない…
「俺…最低…」
愛する人を酔った勢いで抱いてしまったことを後悔する。
痛い思いをさせてないか、つらくはなかったのか、そんなことが頭をよぎった。
たまらなくなり腕の中にいる美弥を抱きしめた。
「…ごめん…」
どうしうもなくこぼれてくる言葉。
「どうしたの??葉月」
起きていたのか美弥が声を上げた。
その声にすべての機能が停止する。
「…」
頭の中が全て真っ白になり、何がおきたのか理解できない。
「ねぇ…どうしたの?葉月」
「…」
呼びかけられても紡ぐ言葉を知らない。
顔を見ようと思っても怖くて見れなかった。
この声が幻ならいいとさえ思えた。
「葉月…?昨日みたいに麻耶をぎゅっとして」
その言葉で全てが現実のものと化した。
腕の中にいるのは美弥ではなく麻耶。
抱いたのは美弥ではなく妹の麻耶だった。
──…
───…
まだ夜が明けきる前、葉月は人の温もりで目を覚ます。
お酒の飲みすぎで頭が痛かった。
記憶を辿っていくと途中からの記憶が全くない。
腕の中になぜ美弥がいるのかも分からなかった。
それでも、身体に残る倦怠感と男独特の臭いで夜中に何があったのか想像はついた。
だけど、記憶がない…
「俺…最低…」
愛する人を酔った勢いで抱いてしまったことを後悔する。
痛い思いをさせてないか、つらくはなかったのか、そんなことが頭をよぎった。
たまらなくなり腕の中にいる美弥を抱きしめた。
「…ごめん…」
どうしうもなくこぼれてくる言葉。
「どうしたの??葉月」
起きていたのか美弥が声を上げた。
その声にすべての機能が停止する。
「…」
頭の中が全て真っ白になり、何がおきたのか理解できない。
「ねぇ…どうしたの?葉月」
「…」
呼びかけられても紡ぐ言葉を知らない。
顔を見ようと思っても怖くて見れなかった。
この声が幻ならいいとさえ思えた。
「葉月…?昨日みたいに麻耶をぎゅっとして」
その言葉で全てが現実のものと化した。
腕の中にいるのは美弥ではなく麻耶。
抱いたのは美弥ではなく妹の麻耶だった。