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狂い咲く花
第9章 一、水芭蕉 - 決心
あの日から半月。
2人にどんな顔であっていいのか分からず、葉月は美弥と麻耶の元を訪れていない。
麻耶には着物を着せて自分の部屋に帰らせたあと、母様が起こしにくるまで何もできなく、ただ呆然としていた。
食卓には美弥以外が集まり何も変わりなく過ぎていく。
帰り際、美弥の顔も見ずに黙って帰ってきたのが気がかりではあったが、それっきりになっている。
体調が戻ったのか心配でならないが、どんな顔で会えばいいのか分からなかった。
そんな時に母親から、春日兄の式の時に着る着物ができたから二人の元に届けるようにと言いつかる。
2人の家に向かう道がこんなにも暗く重いことは初めてで、家の前に来てもそこから先に足が進まない。
どのくらい家のまでウロウロしていただろうか?
後ろから父様が声をかける。
「なにやってんだ?お前…」
不思議そうな顔で葉月を見つめてくが、その眼が非難してるかのように見えて逸らしてしまう。
「これ…着物ができたから持ってきた・・・おじさんから渡して・・・」
手に持っている物を渡し、逃げるように行こうとした。
「待てって。どうした?」
葉月の行動が不可解でほっとけなくなった父様は、逃げようとする葉月の袖を掴む。
「別に…」
「別にじゃないだろう…それに…美弥に顔を見せてやってくれ…あれからまだ調子悪くてな」
「良くないの?」
「ああ…床からでないんだよな…お前の顔を見たら少しは元気になるだろうさ」
2人にどんな顔であっていいのか分からず、葉月は美弥と麻耶の元を訪れていない。
麻耶には着物を着せて自分の部屋に帰らせたあと、母様が起こしにくるまで何もできなく、ただ呆然としていた。
食卓には美弥以外が集まり何も変わりなく過ぎていく。
帰り際、美弥の顔も見ずに黙って帰ってきたのが気がかりではあったが、それっきりになっている。
体調が戻ったのか心配でならないが、どんな顔で会えばいいのか分からなかった。
そんな時に母親から、春日兄の式の時に着る着物ができたから二人の元に届けるようにと言いつかる。
2人の家に向かう道がこんなにも暗く重いことは初めてで、家の前に来てもそこから先に足が進まない。
どのくらい家のまでウロウロしていただろうか?
後ろから父様が声をかける。
「なにやってんだ?お前…」
不思議そうな顔で葉月を見つめてくが、その眼が非難してるかのように見えて逸らしてしまう。
「これ…着物ができたから持ってきた・・・おじさんから渡して・・・」
手に持っている物を渡し、逃げるように行こうとした。
「待てって。どうした?」
葉月の行動が不可解でほっとけなくなった父様は、逃げようとする葉月の袖を掴む。
「別に…」
「別にじゃないだろう…それに…美弥に顔を見せてやってくれ…あれからまだ調子悪くてな」
「良くないの?」
「ああ…床からでないんだよな…お前の顔を見たら少しは元気になるだろうさ」