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狂い咲く花
第9章 一、水芭蕉 - 決心
パタパタと走ってくる麻耶が、いつものように勢いに任せて葉月に飛びついてくる。
「会いたかった~~」
無邪気な笑顔を向けて擦り寄ってくる麻耶を、いつものように抱きしめてあげられない。
抱いてしまった麻耶を今までのように美弥の妹として見ることができなくなっていた。
「麻耶…ここは外だから離れて?」
その言葉に不思議そうな瞳で見つめてくる。
その無邪気で何も分からないというような瞳が葉月の気持ちを逆なでする。
「麻耶!!」
少し強い口調で名前を呼べばビクンッと身体を硬直させ瞳に涙が浮かび上がってくる。
背中に回っている手に力が入るのが感じられた。
すべて自分が悪いのに何をしているのだろうと情けなくなる。
「麻耶ごめん…麻耶は何も悪くない…悪くないんだよ」
麻耶の背中に腕を伸ばし抱きしめてあげる。
これは妹にする抱擁。
今までだって何度も抱きしめた美弥の妹。
それは愛情ではなく、家族愛としての情。
と自分に言い聞かせる。
「黙って家からでてきたのだろう??母様たちが心配してるだろうからお帰り」
家に帰るのを促す。
抱きしめられて安心した麻耶は素直に頷いた。
頷いた後に顔を上げて目をつむって口づけをせがむ。
その表情を見て葉月は現実を見せられた感じがした。
もうただの幼馴染には戻れないと。
「…ここは外だから駄目だよ…鬼に食べられちゃうよ」
何とかしてこの場を逃れたい一心だった。
「会いたかった~~」
無邪気な笑顔を向けて擦り寄ってくる麻耶を、いつものように抱きしめてあげられない。
抱いてしまった麻耶を今までのように美弥の妹として見ることができなくなっていた。
「麻耶…ここは外だから離れて?」
その言葉に不思議そうな瞳で見つめてくる。
その無邪気で何も分からないというような瞳が葉月の気持ちを逆なでする。
「麻耶!!」
少し強い口調で名前を呼べばビクンッと身体を硬直させ瞳に涙が浮かび上がってくる。
背中に回っている手に力が入るのが感じられた。
すべて自分が悪いのに何をしているのだろうと情けなくなる。
「麻耶ごめん…麻耶は何も悪くない…悪くないんだよ」
麻耶の背中に腕を伸ばし抱きしめてあげる。
これは妹にする抱擁。
今までだって何度も抱きしめた美弥の妹。
それは愛情ではなく、家族愛としての情。
と自分に言い聞かせる。
「黙って家からでてきたのだろう??母様たちが心配してるだろうからお帰り」
家に帰るのを促す。
抱きしめられて安心した麻耶は素直に頷いた。
頷いた後に顔を上げて目をつむって口づけをせがむ。
その表情を見て葉月は現実を見せられた感じがした。
もうただの幼馴染には戻れないと。
「…ここは外だから駄目だよ…鬼に食べられちゃうよ」
何とかしてこの場を逃れたい一心だった。