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狂い咲く花
第9章 一、水芭蕉 - 決心
「久しぶりだね…葉月…」
いつもの笑顔で話しかけてくる美弥の笑顔が今の葉月にはつらい。
「うん…まだ調子悪いんだって?」
「風邪は治ったんだけどね…その間食べてなかったから体力がなくて…」
「でも食べないとダメだろう?」
言葉を選びながら何も悟られないように話す。
弱った体に真実は伝えられない。
「そうよね…葉月の顔見たら元気になったかも」
その笑顔と言葉にいたたまれなくなる。
葉月に対する信頼と愛情を真正面から受け止める勇気は今の葉月にはなかった。
「美弥…ごめん…最近忙しくて顔出せなくて…今日もすぐに戻らなきゃダメなんだ…ごめん」
ごめんと言う言葉に違う意味を込めて伝える。
「私なら平気だから気にしないで。でも、会いに来てくれてうれしかった。葉月と居られるように元気にならないとね」
何も知らない美弥は葉月に笑いかける。
「…そうだね…そろそろ帰らないと…また顔出しにくるよ」
逃げるように美弥の前を立ち去った
後ろでは『またね』と声が聞こえるが、振り返って答えることができない。
今にも溢れ出しそうな涙を堪えながら一刻も早くこの地から離れたかった。
「葉月~~」
いつもの笑顔で話しかけてくる美弥の笑顔が今の葉月にはつらい。
「うん…まだ調子悪いんだって?」
「風邪は治ったんだけどね…その間食べてなかったから体力がなくて…」
「でも食べないとダメだろう?」
言葉を選びながら何も悟られないように話す。
弱った体に真実は伝えられない。
「そうよね…葉月の顔見たら元気になったかも」
その笑顔と言葉にいたたまれなくなる。
葉月に対する信頼と愛情を真正面から受け止める勇気は今の葉月にはなかった。
「美弥…ごめん…最近忙しくて顔出せなくて…今日もすぐに戻らなきゃダメなんだ…ごめん」
ごめんと言う言葉に違う意味を込めて伝える。
「私なら平気だから気にしないで。でも、会いに来てくれてうれしかった。葉月と居られるように元気にならないとね」
何も知らない美弥は葉月に笑いかける。
「…そうだね…そろそろ帰らないと…また顔出しにくるよ」
逃げるように美弥の前を立ち去った
後ろでは『またね』と声が聞こえるが、振り返って答えることができない。
今にも溢れ出しそうな涙を堪えながら一刻も早くこの地から離れたかった。
「葉月~~」