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狂い咲く花
第9章 一、水芭蕉 - 決心
「とりあえず、上がって…こんなに冷たくなって…」
差し出された麻耶の手を取ってみれば、とても冷たく顔色が悪いのも分かる。
手を引いて自分の部屋に上げて火鉢の横に座らせ、両手に自分の息を吐きかけて温める。
「どうして、こんな無茶するの?」
怒ってないことを伝えるために優しく聞く。
「だって…葉月が来てくれないから…麻耶が会いにいくしかないもん」
「それは…仕事が忙しかっただけだよ」
もちろん仕事が忙しかったわけではない。
「麻耶…葉月に嫌われたと思って…怖かった…」
止まることのない涙がポタポタと落ちていく。
「嫌いになるわけないだろう…麻耶は馬鹿だなぁ…」
寒くないように布団を背中からかけ抱きしめる。
いけない事だとは分かっていた。
分かっていても今の麻耶を抱きしめて安心させたかった。
「よかった…」
安堵する言葉を聞いて愛おしいと思っている自分がいることに気が付く。
少し腕の力を緩め離れようとしても麻耶の腕の力は弱まらない。
「暖かいお茶でも用意するから離して」
首を横に振って離そうとはしない。
差し出された麻耶の手を取ってみれば、とても冷たく顔色が悪いのも分かる。
手を引いて自分の部屋に上げて火鉢の横に座らせ、両手に自分の息を吐きかけて温める。
「どうして、こんな無茶するの?」
怒ってないことを伝えるために優しく聞く。
「だって…葉月が来てくれないから…麻耶が会いにいくしかないもん」
「それは…仕事が忙しかっただけだよ」
もちろん仕事が忙しかったわけではない。
「麻耶…葉月に嫌われたと思って…怖かった…」
止まることのない涙がポタポタと落ちていく。
「嫌いになるわけないだろう…麻耶は馬鹿だなぁ…」
寒くないように布団を背中からかけ抱きしめる。
いけない事だとは分かっていた。
分かっていても今の麻耶を抱きしめて安心させたかった。
「よかった…」
安堵する言葉を聞いて愛おしいと思っている自分がいることに気が付く。
少し腕の力を緩め離れようとしても麻耶の腕の力は弱まらない。
「暖かいお茶でも用意するから離して」
首を横に振って離そうとはしない。