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狂い咲く花
第11章 二、青い薔薇 - 神の祝福
「アアアアア――――――もう嫌ぁ――――ハァハァハァ…痛い痛い痛い…もうこんな子いらない…アアアアアアアアアアァァァ葉月―――!葉月――――!!」

相良家に麻耶の絶叫が響き渡った。
麻耶の陣痛が始まって5時間程たっていた。
堪え性のない麻耶が出産を嫌がり泣き叫ぶが、生まれようとする今、誰もどうにもできなかった。
ただ、麻耶本人が頑張るしかない。
それがお産であり、母となるための試練。

「大丈夫なのか?あいつにお産がつとまるのか?」

「父さん…大丈夫です…母さんもついていますから」

「お前…あの声を聞いて良く平気でいられるな!!」

「平気じゃないです…平気じゃないですけど」

男2人は終始こんな感じでオロオロしていた。
昔から、お産に男性は無力だった。

「もう、2人とも落ち着いて…麻耶がどんなに泣いても叫んでも赤ん坊は生まれてくるんです。しっかりしてください」

「でも…姉さん…」

「葉月!!しっかりして!!あなた父親になるのよ。」

葉月の顔に両手を添えて、しっかりと見据えて言い含める。

「あなたがここで動揺したら麻耶に伝染するの。だから、しっかりして。父親になるのよ」

そう。
葉月は、もうすぐ父親になる。
麻耶との子供の父親に…
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