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狂い咲く花
第11章 二、青い薔薇 - 神の祝福
「葉月…麻耶と、この子を必ず守るんだぞ。それが父親というものだ。誰が何と言おうと、お前が父親で守るしかないんだ」
父親が葉月の背中をバンバンと叩きながら告げる。
婚姻より先に身籠ってしまった麻耶が噂にならないはずがなかった。
心無い言葉を投げつけられて傷ついたこともあった。
それでも傍で見守ってくれた葉月や家族のおかげで麻耶の心は救われていた。
「父さん。分かってます。俺が全力で守ります」
眠っている赤ちゃんを見ながら強い思いで告げる。
美弥の犠牲で成り立っている幸せだと葉月も心のどこかで思っていた。
「ところで、名前は決めているの?」
「はい。…幸福が飛んでくると言う意味をもつ胡蝶蘭から文字を取って蘭子と名付けようかと思ってる。」
「蘭子」
葉月の言葉に誰もが声に出して呼んでみる。
「あうぅ…」
返事をするかのように赤ちゃんが声を発する。
「気に入ったみたいだな…蘭子か…名前の通り、幸福に満ちた人生であればいい」
父様が優しい瞳で蘭子を見下ろす。
家族が増えるまで色々なことが起きた相良家であったが、その一つの命の誕生と愛らしい笑顔で一つのわだかまりは薄らいでいった。
父親が葉月の背中をバンバンと叩きながら告げる。
婚姻より先に身籠ってしまった麻耶が噂にならないはずがなかった。
心無い言葉を投げつけられて傷ついたこともあった。
それでも傍で見守ってくれた葉月や家族のおかげで麻耶の心は救われていた。
「父さん。分かってます。俺が全力で守ります」
眠っている赤ちゃんを見ながら強い思いで告げる。
美弥の犠牲で成り立っている幸せだと葉月も心のどこかで思っていた。
「ところで、名前は決めているの?」
「はい。…幸福が飛んでくると言う意味をもつ胡蝶蘭から文字を取って蘭子と名付けようかと思ってる。」
「蘭子」
葉月の言葉に誰もが声に出して呼んでみる。
「あうぅ…」
返事をするかのように赤ちゃんが声を発する。
「気に入ったみたいだな…蘭子か…名前の通り、幸福に満ちた人生であればいい」
父様が優しい瞳で蘭子を見下ろす。
家族が増えるまで色々なことが起きた相良家であったが、その一つの命の誕生と愛らしい笑顔で一つのわだかまりは薄らいでいった。