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第13章 ー夜行バスー（浅井彩花 ）

「じゃ、ママ。行ってくるねー。」
「気を付けてね。楽しんできて！！」

駅のバスターミナルでママに見送られ、私を乗せたハイウェイバスは、緩やかに新宿へと走り出した。

ガタンッ…

「あーっ、ごめんね。」

前の座席の人が、背もたれをいきなり倒してきて、頭に軽くぶつかった。

「大丈夫です。」

隣の席は、うちのパパみたいに物静かな感じで、本に目を通してる。

『長いし、少し寝とこうかな。周りも静かになったし…』

浜松IC、磐田、袋井とバスは、スムーズに走り、いつしか私は眠りに堕ちていった…