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山猫と狼
第5章 サクリファイス
ロイはクロードの兵士と侍女に伴われ、美しく整えられた寝室に通された。


一人きりになると、ロイはほっと安堵した。


男に犯された唇が、熱を帯びている。


ロイはハンカチで唇を強くこすり、男の跡を消そうとした。


こすり続けるうちに唇の端が切れ、血が滲んだ。


ロイは涙を流していた。


無遠慮で乱暴に唇を奪うあの男が憎い!


そして、少しでも甘やかさを感じた自分が憎い!


いつか、絶対あいつを殺してやる・・・!


ロイは流れる涙を止められないまま、いつの間にか眠りに落ちていった。
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