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呪縛
第2章 大天使レオナ
レオナはずっとライアンの傍にいた。政治的な会議の場に参加する時も、ライアンが1人の大人の大天使として認められた時も。
天使に年齢というものはあって無いようなもので、成人した者はそこから歳をとるという事が無い。いや、人間に例えると20歳から結婚し、子供を設けるまで何百年とかかる者が多いのも天使が人間と違って滅多に歳を取らない事が関係しているのかもしれない。
しかし、子供が育てば代替わりの時期が来る。
天界ではライアンとエドガー、どちらが次の天帝に相応しいかを何十年、何百年と会議にかけられていた。
「兄上、今日はお話したい事がございます。」
ある日ライアンはレオナと共にエドガーの元を訪れていた。
「今、天界は大きく二つに分かれています。このままでは地上で何か起きた時の対処も天使達の統率も取れません。私は確かに正室の子供です。しかし、貴方より遅く生まれてきたのは何か使命を託されたのだと考えます。ですので、どうか兄上の補佐役としてお側に置いて欲しいのです。」
「俺の補佐役とは、父上の跡は継がないつもりか?」
「はい。このまま兄上と争う事になるのであれば、私は天帝の座を兄上にお譲りし、補佐役として兄上をお支えしたいと考えております。」
「良いだろう。その証として、お前の横にいるレオナを俺にくれ。」
「え?今何とおっしゃいましたか?」
一瞬聞き間違いかと思ったライアンはエドガーに聞き返した。
「お前はレオナがどういう存在か解って居ないのか。父上に言っても、本人に直接言っても俺の元には来なかった。そのレオナを俺にくれ。」
「それは……。」
ライアンは言葉につまり、レオナを見た。レオナがどういう存在か?そんな事考えた事も無い。そもそも、レオナがどのくらい生きている天使なのかも解らない。自分は何も知らずにただ、傍にいるレオナに安心し、密かな恋心さえ抱いていた。
「それは……。無理にございます。」
ライアンは思わず言い切った。その言葉に一番驚いたのはレオナだった。
「大天使レオナは幼き頃より時に母として、時に教師として私に様々な事を教えてくださいました。そんな大切な人をまるでモノの様に兄上に差し出す事などできません。」
天使に年齢というものはあって無いようなもので、成人した者はそこから歳をとるという事が無い。いや、人間に例えると20歳から結婚し、子供を設けるまで何百年とかかる者が多いのも天使が人間と違って滅多に歳を取らない事が関係しているのかもしれない。
しかし、子供が育てば代替わりの時期が来る。
天界ではライアンとエドガー、どちらが次の天帝に相応しいかを何十年、何百年と会議にかけられていた。
「兄上、今日はお話したい事がございます。」
ある日ライアンはレオナと共にエドガーの元を訪れていた。
「今、天界は大きく二つに分かれています。このままでは地上で何か起きた時の対処も天使達の統率も取れません。私は確かに正室の子供です。しかし、貴方より遅く生まれてきたのは何か使命を託されたのだと考えます。ですので、どうか兄上の補佐役としてお側に置いて欲しいのです。」
「俺の補佐役とは、父上の跡は継がないつもりか?」
「はい。このまま兄上と争う事になるのであれば、私は天帝の座を兄上にお譲りし、補佐役として兄上をお支えしたいと考えております。」
「良いだろう。その証として、お前の横にいるレオナを俺にくれ。」
「え?今何とおっしゃいましたか?」
一瞬聞き間違いかと思ったライアンはエドガーに聞き返した。
「お前はレオナがどういう存在か解って居ないのか。父上に言っても、本人に直接言っても俺の元には来なかった。そのレオナを俺にくれ。」
「それは……。」
ライアンは言葉につまり、レオナを見た。レオナがどういう存在か?そんな事考えた事も無い。そもそも、レオナがどのくらい生きている天使なのかも解らない。自分は何も知らずにただ、傍にいるレオナに安心し、密かな恋心さえ抱いていた。
「それは……。無理にございます。」
ライアンは思わず言い切った。その言葉に一番驚いたのはレオナだった。
「大天使レオナは幼き頃より時に母として、時に教師として私に様々な事を教えてくださいました。そんな大切な人をまるでモノの様に兄上に差し出す事などできません。」