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蜘蛛♠
第5章 誤算
M奈はこの機を逃さず、S子の手を掴んだ。
「S子~!私も料理手伝うよ~♪行こう行こう♪あっ、足元だけ気を付けてね!コンタクト踏まないようにしなきゃ~」
言ってS子を廊下の先まで導いた。
するとS子、
「圭ちゃんごめんね!ご飯温めとくからコンタクト見つかったら早く来てね」
M奈は降り返るS子の背中を押して、一緒にリビングへと入っていった。
助かった。
何とかこのピンチを切り抜ける事ができた。
精子も出さずにすんだし、S子にあの現場を見られることもなく。
もし、S子にあの状況を見られていたら、もはやミッションどころの話ではない。この先のS子の信用さえ失ってしまう。
川澄は腰にかかっていたM奈のパーカーを外し、パンツとズボンを履きなおした。
ふと、右手を見るとM奈のピンクのおパンティが握られている。
あの時、隠さなきゃいけないという一心で、とっさに掴んでいたのだ。
一人になり、川澄は心を落ち着かせた。
同時に、このミッションの難易度の高さを深く思い知らされた。
間違いなく、難易度はSクラスだ。
過去にもSクラスは何度か切り抜けてきたが、その中でも最強の分類に入るかもしれない。
このままではS子に到達する前に、M奈にやられる………
目的はS子とM奈、二人とセックスをして、それを全国生放送する事。
だが、川澄にとってM奈はついでだ。M奈も充分可愛いが、S子を前にしては、その存在も薄くなってしまう。
射精は確実にS子で迎えたい。
そしてもう一つ……このミッションの難易度をさらに上げてしまってるポイントがある。
S子のあの異常な冷静さだ。
セックスに持ってくにあたって、あのタイプの人間はガードが相当固い…。時間もかかるしお金もかかるタイプだ。
もし、相席居酒屋でこの手の女と遭遇したら、川澄は確実にスルーする。