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輪廻
第2章 2XXX年4月1日
ちなみに、居住区は古代エジプトの遺跡ピラミッドと同じ形をした真っ白な建造物らしい。

らしいというのは、学習したのでも見たのでもなく、対象者である親父の勤務先が、ここ『ピラミッド』で、その他色々な情報を集約した俺の推測だからだ。

『ピラミッド』は旧東京23区を埋め尽くすように建設された。『空白の時代』に…

その前に世界規模の地震があり、しっかりと形を留めていたのが、ピラミッドだったことから、この形に建設された。

親父は最下層の一階部分で働いている。
一階だけが外部からの侵入を許し、逆に住人は一階には降りれない。

ピラミッドの住人は、諸々のセキュリティの為、外部から完全に遮断されているのだ。

ピラミッドに何百万人住んでいるのかわからないが、選ばれた人間であると同時に、外部という現実を知らずに一生を終える。

まあ、バーチャルで外部は体験できるから必要性はないのだが…


外部の人間は、ピラミッドの住人を選民と呼び、逆に俺達は彼らを一般人と呼んでいる。

一般人の生活スタイルは21世紀初頭とさほど変わらない。
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