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輪廻
第3章 4月2日
黒目の位置が左右バラバラになったまま、頬と口元は笑ったまま弛んでいて、知性の欠片もない表情で失神したのだ。

多分、機械はまだ動いているだろうが、御幸はもう反応しなかった。


終わった…

壊れた御幸を見て、ホラー映画の終幕を迎えたようにほっとした。

画像を早送りしようかと思ったが、ノイズが入り、画面が砂嵐になる。

おかしい…
俺の管理下にあるカメラにノイズが入る訳がない。
選民の中でもかなり階級が上の方なのだから…

きっかり1分の砂嵐の後、何事もなかったかのように画像が復活する。

バタン…

寝室のドアが閉まった音がした後、御幸はベッドに静かに寝ていた。

真っ直ぐに遺体のように整えられて、ヘッドギアもバイオスティックも片付けられ、身なりも整えられている。

口から出ていた泡も拭われ、瞼も閉じられていた。

巻き戻して再生し、早送りする。

画像編集をタップしてノイズ部分をカットした。
それをコマ送りで何度も前後させる。

頭の位置が少しずれているだけだった。

1分で器具を片付けブラウスのボタンを閉め、ショーツとスカートを履かせ、顔を拭って整えて寝かせる。
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