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愛おしい貴方・作品SS集
第16章 星に願いを……(禁断背徳)
「あぁ、綺麗に仕上がったね。早乙女邸で七夕も、そこまで悪いものでもないかな?」
「……あれ、紀永が外に出て来た」
何時ものジーンズにTシャツ姿で現れた紀永は、飾られた笹や提灯を呑気に見ているし、これどうなってるの!?
「お帰り美紀。
今日は七夕だからね、葉山の意見に頷いてしまったというところかな?
でも、こんな七夕も悪くないと思わないかい?」
「綺麗だけど……。
簡単に外に出て良いの?」
「屋敷から出た訳でもなし、多少正面玄関から外に出たからといって、一々葉山に止められていたら、何も出来なくなるよ」
「そりゃ……そうだけど……」
じゃなくて、プライベート紀永で、堂々と従業員さん達が歩く正面に出てもって話なんだけどな?
紀永、全然分かってくれない。
「七夕は、短冊に願い事を書いて、笹の葉に吊るすと聞いた事があるのだがね?」
「……もしかして初めて?」
「流石に無かったよ。
だから今年は、美紀を含め皆で七夕をやろうと思った」
「なるほど。
葉山さんは??」
「子供の頃に七夕はやりましたね。会長も美紀様も短冊をどうぞ」
呑気な紀永と、ちょっと困っている私に、葉山さんは短冊を渡してくれる。