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愛おしい貴方・作品SS集
第17章 星空を見上げるX'mas(契約的束縛)
「X'masはどうしましょう?」
それは私が何気く呟いた一言から始まった。
此処はドイツのミュンヘンにある、みんなと一緒に生活している高級アパート。今は力の修行中であるルークと櫻澤さんを除く、私、仁科さん、本郷さん、宮野さんがアパートに常時居るのよ。
「X'masですか?
ドイツは今がメインシーズンですので、何処に行ってもX'masマーケットがありますね」
「あー! それ俺も見た見た、マリエン広場にさスゲーツリーがあって、回りは店だらけ」
「デカいよな、イルミネーションも凄かったぞ?」
あれ、みんな見てる。
私は少し前まで居城に居たから、イルミネーションまでは見てないの。良いな行きたいな、でも仁科さんに駄目って言われそう。
「CLUBに行く時にでも見れますが、美波が言いたいのは、X'mas当日にこのアパートで開くX'masパーティの事だと私は思いますがね?」
「そうね、そっちが一番興味あるわよ。やっぱりみんなとX'masがしたいって思っていたから」
「X'mas当日は家族と共に過ごすのがドイツでは一般的で、外に出る事は殆どしません。家でグリューワインやシュトレンのようなお菓子、それにスモークサーモンやザワークラフト、マッシュポテトなど簡単な料理が多く……」
「仁科ぁー、説明長過ぎ」
あらら、私も思っていたけど、宮野さんが先に言っちゃった。そうなると後が丸わかりなのよね。