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愛おしい貴方・作品SS集
第17章 星空を見上げるX'mas(契約的束縛)

「はぁ、私は普通に説明しているだけですよ宮野。とにかく家でツリーを飾り、簡単な食事とワインを楽しむ、要約すればこうなります」
「意外にシンプルだな、アドヴェント期間は長いが、当日はシンプルにか」
「正確には24日の午後から26日までですね本郷さん」

うそぉー! X'masってそんなに長いの? 日本感覚と全然違うから、ドイツのX'masって分かりにくいわ。

「私は……星が見たいですね。冬の星空は一際美しいので」
「仁科らしくない事言ってるー」
「宮野、私でも純粋に星を眺める心くらいありますがね?」
「げっ、ヤバいっっ!」
「……もう! 喧嘩は駄目ですよ、仁科さん宮野さん?」

喧嘩とまではいかないんだけど、仁科さんと宮野さんがこうして言い合いを始めると、中々収集が付かなくなるから、最終的には私が止める事になるのよ。本郷さんは、こんな場合って意外に知らん顔なんだもん。

「だけど仁科さん、星空と言いますけど、イルミネーションが多いミュンヘンで見れますか?」
「無理でしょう。
私が見たい星空は、この様な平地では見れません」
「??
それって居城の最上階……」
「あれは……。屋根の上に本郷さんと宮野が行けると思いますか美波?」
「…………無理」

只でさえ山の上にある居城、その最上階にある部屋から更に屋根を登ったら……普通に考えて駄目でしょう。落ちたらどうするのよ。

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