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愛おしい貴方・作品SS集
第19章 シークレット~裏~(禁断背徳)
電話から更に十分くらい経った頃に嬢ちゃんがゲームコーナーに現れた、ベンチに座っている俺と周りに積まれた戦利品を見てかなり驚かれたが……。
「これ朔夜叔父様が!?」
「あぁ、意外に得意なんだぞ」
「うそぉー」
「ほれ嬢ちゃん」
「え? きゃっ!」
ポンっと嬢ちゃんにぬいぐるみたちを渡せば慌てたようにキャッチする、それからゆっくりとぬいぐるみを見始めた。
「これ……子供の頃に好きだったキャラクター」
「気に入ったのがあったようだな」
「すごく……」
五つあるぬいぐるみの中から一番大きなのを選びギュっと両腕で抱きしめる嬢ちゃんの姿は、カジュアルルックと合わせて可愛いんだ。それも普段は見せない無邪気な笑顔がまたいい、ずっとそうして笑顔でいて欲しいくらいに。
「その……朔夜叔父様ありがとう」
「お、おぅ」
照れたような嬢ちゃんの一言、それも『ありがとうございます』ではなく『ありがとう』と敬語なしの一言だぞ、これは俺のほうも照れる……初めて言われたんだそうなるだろ?
「これどうやって取ったの? 私もやりたい!」
「は……? いや仕組みさえ分かればそう難しくはないんだが……」
「仕組み? やっぱりなにかあるんだ」
「まあな、じゃあもう一戦いくか」
「楽しみ!」
それから数時間嬢ちゃんとクレーンゲームを漁りまくることになったが、やっぱり血筋なのかコツを掴んだ嬢ちゃんは次々と景品をgetしていく……近くの客が驚くくらいには回しまくったんじゃないか? だが楽しそうな嬢ちゃんは見ていて飽きない、多分早乙女が関係していなかった頃はこうだったのではないか、そう思う。
もう元には戻れないだろう、それでもたまにはこうして連れ出すのもいいかもしれん……紀永や遠藤が関係ないところでな。