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愛おしい貴方・作品SS集
第19章 シークレット~裏~(禁断背徳)
(ん? あれは……)
俺が知っているよりかなり広大だがゲームコーナーだろ? 今でこそ縁などない場所にはなるが、まだ一社員……いや重役に上がる手前まではゲームコーナーに来ていたんだ。理由を言えば嫁のため、ぬいぐるみやキャラグッズが好きだったからなぁ、俺も必死にクレーンゲームで手に入れた物を病弱な嫁に渡しては喜ぶ顔を見て満足していた、今ではいい思い出だな。
「昔懐かしでやってみるか?」
ちよっとした悪戯心とでもいうんだろうか俺は気になったクレーンゲームへと歩く、この手は運や技術というより確率で回数さえこなせばどうにかなるんだ。大きなぬいぐるみを渡して嬢ちゃんがどんな反応をするか気になるだろ?
そんな簡単な理由で俺は目的のクレーンゲームの前で仁王立ち、さあ勝負だ!
(やり始めると楽しいんだよなこれが)
少しずつ動く対象物に一喜一憂するのは嫌いじゃない、ことの大小にかかわらず勝負事に熱くなるのは血筋だ。一番いい例が紀永だろうな企業買収という勝負事全てに勝ったんだ、普段は穏やかなくせにこういうのには異常な強さを見せる。多分紀永にクレーンゲームなんかやらせたらハマるぞ、更に言えば嬢ちゃんのためとなるとgetするまで止めんだろうよ。
そんな事を考えているうちに一つ目が陥落、次はどれを狙おうか? 同じ台を狙うのは時間が掛かり勝率も悪い、出来ればそこそこに動かしているやつが丁度いい。
「これにしてみるか? キャラは知らんがな」
ハイエナだったか? これも戦法のうちなんだ引くなよ。こうして嬢ちゃんから電話が入るまでに手に入れたぬいぐるみは五個、いい感じに取れた俺的にもかなり満足してる。