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愛おしい貴方・作品SS集
第4章 ちょっと覗いて見てご覧?(禁断背徳)



演奏を聞いて、誤認だと改めて認識した‥
彼女‥リュカ・泉という女性の技量は確かで、このエチュードを簡単に弾きこなしている。



(女性が弾くと、甘く聞こえるもんだ‥)


このリサイタルで、初めてマトモに聞き入った‥
とは言え、彼女が最後だが・・・



全ての演奏が終わった後、俺はあのリュカ・泉と会える機会が出来た‥


まあ‥主催側が、早乙女として来た俺に気を使った‥それくらいは理解しているが・・


楽屋を訪ねれば、贈り物の花に囲まれた、リュカ・泉の姿‥
舞台では金色に見えたが、実際は茶金程度の髪の色、だが翡翠色の瞳はそのまま・・



「・・良い演奏だった」


「ありがとうございます、早乙女社長‥」


なるほど、俺の事は事前に話済みか‥
主催側もやってくれる‥紀永じゃないが、そんな手に乗る気は更々無い。



「ピアノを何処で?」


「フランスで‥
子供の頃はフランスに居たの‥
今は、北海道が気に入っていますわ」


「では、何故リサイタル回りをしている?」


「そうですね‥‥」


少し考えるようにして、リュカ・泉はクスッと笑う‥
しっかりとした、大人の魅力‥‥



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