この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしい貴方・作品SS集
第4章 ちょっと覗いて見てご覧?(禁断背徳)
演奏を聞いて、誤認だと改めて認識した‥
彼女‥リュカ・泉という女性の技量は確かで、このエチュードを簡単に弾きこなしている。
(女性が弾くと、甘く聞こえるもんだ‥)
このリサイタルで、初めてマトモに聞き入った‥
とは言え、彼女が最後だが・・・
全ての演奏が終わった後、俺はあのリュカ・泉と会える機会が出来た‥
まあ‥主催側が、早乙女として来た俺に気を使った‥それくらいは理解しているが・・
楽屋を訪ねれば、贈り物の花に囲まれた、リュカ・泉の姿‥
舞台では金色に見えたが、実際は茶金程度の髪の色、だが翡翠色の瞳はそのまま・・
「・・良い演奏だった」
「ありがとうございます、早乙女社長‥」
なるほど、俺の事は事前に話済みか‥
主催側もやってくれる‥紀永じゃないが、そんな手に乗る気は更々無い。
「ピアノを何処で?」
「フランスで‥
子供の頃はフランスに居たの‥
今は、北海道が気に入っていますわ」
「では、何故リサイタル回りをしている?」
「そうですね‥‥」
少し考えるようにして、リュカ・泉はクスッと笑う‥
しっかりとした、大人の魅力‥‥