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裸身
第5章 志願者
アイマスクも取りたかった。取ることは許されなかった。

『帰りたい……』
夫への背信が律子を責め立てた。
躯はまだまだ快楽を忘れられず、疼き悶える……

正反対な心と躯に、立っていることが辛い。

『えっ?』

不意に後ろから抱きしめられた。

『誠…?まさかね…』

優しい抱擁の手の感覚、うなじに落とすキスに雷鳴が聞こえた。
被虐感も凌辱感も感じなかった。
ふわふわした柔らかい快感が躯中を纏っていく……

震えるような官能が脳天に広がっていく。
穏やかな快楽に膝の力が抜けた。

ハァ…

ハァァ…フゥゥン…

ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…


抱きしめた手が乳房をまさぐる。あちこちにキスを落しながら腰に、尻に、両手が律子の躯を這いまわる。横向きに重なった二つの肉体は、柔らかなベッドの上で夢心地の快楽を貪り合っていた。

律子の片足が宙に浮き、間に男の足が割り込んできた。
隆起した男のものを感じた。

ズチュ、ズブズブ…

『ひゃあああ!』

再び雷鳴が聞こえ、同時に頭がスパークした。


『…子、律子…』

『まこ…まこ…誠ぉ…』

胸を揉みしだきながら、蜜壷にリズミカルに出し入れを繰り返す。

ズボ、ズボ、ズボ、ズボ…

あっ、あっ、あっ、あっ…

『律子…俺だよ、律子…君にこんな願望があったなんて…』

『本当にぃ…誠…あっ、なのぉ?あっ、あぁっ、ひっ、ひっ、あぅ、あぅぅ…』

『そうだよ、律子…虐めてあげるよ、俺の律子ぉ…うっ!あぁっ!』

『来て!あたしも逝くぅ!あぁっ!』




直人の声がした。

『私がご主人をお呼びしました。貴女の欲望を見て欲しいと。欲望に溺れながらもご主人への背信に苦しむ様子も全て見ていただきました。』


『まこ、ごめんなさい!』

『いいんだ。律子の満足する交わりはこれから始めよう。俺のためにも。』

アイマスクが外され、目前に優しく微笑む夫を見た。
夫は律子の髪を撫で、律子の今回の行為を許してくれた。


言うまでもなく、今では夫の調教に喘ぎ悶える日々に雷鳴を聞き、究極の官能に痺れる律子である。



『律子、今夜は縛ってあげるよ。うんと悶え喘ぎなさい。』 《完》





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