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裸身
第6章 ふたつの顔の女
『炭酸水でいいんだね?』

『えぇ、ありがとう、あなた。』

夫のくわえている煙草を、しなやかな白い指が取り上げ、一服だけ貰い、夫の口に戻す。
その煙草を吸い終え、スコッチで喉を潤すと、夫が清香を抱きしめ、そしてやわらかなキスを首筋におとす………

清香は夫にもたれ掛かり、そのままベッドに倒れ込むと、スコッチの香りが残る口を自らの唇で塞いだ。

夫のバスローブをゆっくりと開いていく。

清香の白い指先が夫の身体をなぞるように這いまわる、ゆっくり、ゆっくりと……


『あなた…愛してるわ』

『俺もさ、清香』

『あなたが私を食べる前に、今夜は私があなたを食べたいわ…いいわよね?』

『いいさ、清香の好きなようにすればいい』


清香は夫のまぶたにキスをした。
舌先でまつげを掬うように舐め、目尻に唇を滑らせる。

『時折、冷ややかな視線を向けるこの目が好きよ…辛いのに聞き届けてくださらないこの耳…私の弱点を啄み、酷く噛むこの口も大好きよ……』

キスはまぶたから耳へ、唇へと流れていく。

夫は何も答えず、愛おしいものを見るように、少しの微笑みを浮かべ私を見ているだけ。


互いの指を絡め合い、広い胸板へと下りる。鼓動が聞こえる。ゆっくり叩く鼓動は力強く規則正しいリズムを奏でる。


段々と下に下り、彼のまだおとなしいそれに軽く口づけ、一気に足先まで飛び越えた。


『清香、お尻を俺に向けて。』


『えぇ』
彼に跨がり、足指を舐める。一本一本丁寧に口に含んでは舌を動かし、吸い上げる。

清香の高く上げた尻を撫で、くすぐるように指先が踊る。
その気持ちいい感覚とくすぐったい感覚に尻も踊る。


『んっ、はあぁ……』

彼の指先が、蕾を突くのだ。

『今夜はここじゃない。やっぱり清香にはここだろう?』

『ん!あっ!あっ!』

『いっぱい感じていいんだよ、清香。』

膣付近を指先がなぞる。
その度に清香は自分の鼓動の高鳴りが強くなるのを感じていた。


我慢に我慢を重ね、ついに愛おしい彼のペニスを捉えた。

彼の指は未だ焦らし続ける………



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