この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
暁の星と月
第5章 後朝の朝
事後、大紋は暁を抱き上げ、部屋の隣にあるバスルームで丁寧に身体や髪を洗ってくれた。
髪まで綺麗に乾かしてくれて
「ごめんね。…またしつこくして…」
と、真面目に詫びる男に文句を言う気は失せ、
「…泊まっていかれてください」
と照れたように微笑んだ。

来賓室は暁の部屋とは反対側の西翼にある。
来客がある日に新しいシーツや毛布でベッドメイクをするのが常なので、そっとリネン室からシーツや毛布を持ってきて、二人でベッドメイクしてくすくすと笑い合った。
暁が部屋を出ようとすると、大紋は暁の手を引き止め
「…おやすみ、暁…愛しているよ」と、キスをした。
暁は恥ずかしそうにキスを返した。

…朝、暁の部屋のカーテンを開けに来た執事の生田に、
「…昨夜は話し込んでいて遅くなったから、春馬さんには泊まって貰ったんだ…」
とさりげなく告げた。
ベテランの執事、生田は驚きを顔には出さずに
「ご朝食をご用意いたします。…今から大紋様のお世話に下僕を向かわせましょう」
と、素早く行動してくれた。

…生田はどう思っただろうかと暁は朝食のポーチドエッグを崩しながら考えたが、その実直で無表情な横顔からは何も読み取ることはできなかった。
よく考えたら大紋は主人の親友で、会社の顧問弁護士だし、暁がこの屋敷に引き取られてからは家庭教師として毎週、暁と過ごしていた。
生田としては、仲の良い年上の友人と思っているかもしれない。
…自分達の関係が秘密にしなくてはならないものだと思っているから、ついつい神経質になってしまうのだ…と、苦笑した暁の耳に聞きなれた車のエンジン音が聞こえた。

暁ははっと耳を澄ませ、立ち上がる。
大紋がコーヒーカップを持つ手を止める。
「…どうした?暁…」
それには答えずに、窓の外を見る。
暁の澄んだ黒い瞳がきらきらと輝く。
「…兄さん…!」
次の瞬間、暁は朝食室から飛び出していた。

呆気に取られた大紋は、生田を見上げる。
生田は慣れた様子で、大紋にお代わりのコーヒーを注ぎながら答える。
「恐らくは旦那様がお帰りになったのでしょう。…暁様は昔から旦那様のお帰りになる気配は誰よりも早く察知なされます。…それは驚くほどに早く…。
…本当に旦那様をお慕いしていらっしゃいます。端から拝見していても微笑ましいほどでございます」
大紋は面白くなさそうに呟く。
「…へえ…」









/479ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ