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第12章 堕天使の涙

「…月城…？」
おずおずと貌を見上げようとすると、それを避けるかのように、再び暁を褥に押し付ける。
脚を抱え上げ、薄紅色の花環にくちづけたかと思うと、舌先で丁寧に舐め始めた。
「…やっ…！…だめ…そんなこと…しないで…きたない…から…」
暁は動揺し、涙ぐむ。
「…貴方はどこもかしこも美しい…。ここも…とても綺麗だ…」
月城の熱い吐息が後肛に当たり、暁はぞくりと背筋を震わせる。
「…も…やめ…て…」
「…よく馴らさなくては…。急だったので、潤滑油のようなものがないのです…」
…次回はご用意します…と低い美声で囁かれ、次もあるのかという喜びと、同じくらいの羞恥を感じる。
月城の唾液で充分湿らせた暁の後花は、ひくひくと蠢いた。月城は長い指を淫肛の中へと挿入する。
「…ああっ…ん…んっ…」
男の指を後肛に迎え入れるのも久しぶりだ。
「…力を抜いてください…そう…上手ですよ…」
暁の貌の至る所にキスを与えながら、月城は淫肛を愛撫して馴らす。
月城の愛撫は巧みで、暁は次第に腰に力が入らなくなる自分を感じた。
暁の下腹部には月城の熱く硬い牡が押し付けられ、脈打つ様が伝わってきた。
暁は堪らずに月城には抱きつき、乞う。
「…もう…挿れて…」
「まだです…貴方に怪我をさせたくない」
暁は首を振る。
「…痛くてもいい…早く月城を感じたい…お願い…」
月城の瞳が苦しげに歪む。
「なぜ貴方はそんなに可愛いのですか…」
腹立たしげに呟くと、やや乱暴に両脚を抱え上げる。
月城の熱い雄蕊が暁の綻んだ花環に押し付けられたかと思うと、それはゆっくりと侵入してきた。

「…んんっ…！…ああっ…！」
男の牡を久しぶりに迎え入れる暁の淫肛がじわじわと押し広げられる。
熱い月城の牡…
月城がゆっくりと腰を遣いながら、暁を熱く見つめる。
「狭いですね…。まるで処女のようだ…」
「…ん…っ…あ…ああ…くるし…」
暁の肉筒は余りに狭すぎて、月城の牡がすんなり入るには時間を要した。
「…大丈夫ですか…力を抜いて…そう…いい子ですね…」
月城は子どもをあやすように励ましながら、暁を抱く。
気遣いながらも暁の身体を決して手放そうとはしない。
ねっとりと執拗に腰を遣い続ける。
暁の身体中に自分の痕跡を刻もうとしているかのようだ。
一見、怜悧に見える端正に整った男のどこにこのような獣めいた執着があったのかと、暁は驚く。