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第4章 料理人の比村　陽介

連休中もあり小学生の子連れの宿泊客も多い。

部屋食が済んで下げるのに大忙しだった。

熱で休んだ仲居もいるから

いつもより疲労が溜まってゆく。

「○○旅館の御膳の方が美味しかったわね…」

宿泊客からの意見も賛否両論だ。

「そうでしたか、申し訳ございません。

どのようなお料理がお好みか教えて頂けませんか？」

「そうねー、私なら吸い物の味や旬の食材も

もっと使ってほしいわ。」

「かしこまりました。勉強させて頂きます。」

美織の素直な接客は宿泊客の心を

徐々に掴んでいった。

「こんな女将さん珍しいわね。

また泊りにきます。そのときは楽しみにしてますね。」

「ありがとうございます。」