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契約的束縛・誘惑なる秘密
第9章 香港ーまさかの出逢い
「先ずはイェンフゥイでしょう、明日本部の方の支部へ行って見ます‥
手掛かりらしき物があれば、そこから辿れる‥‥あればの話です」
「あると思う?」
「さあ‥‥
ですが本部に何かを伝えたかった、この内容を探れば多少は答えが出るかも知れません」
ライランの話を総合的に考えれば、引っ掛かるのは何かを伝えるという事‥
一体何を掴んだのか、それと不在は関係あるのか‥‥いえ関係あるのでしょう、その話の直ぐ後にイェンフゥイは消えているのですから。
「今はイェンフゥイ不在でも本部が動かないように手を打ちましょう、私としてもイェンフゥイは使いやすいので支部長を代えるつもりはありません」
「‥‥悠人の好きなように、私はそれに同意するから‥‥」
「美波の意思は?」
「いまのところは悠人に任せます‥
盟主としての判断力は悠人が上だもの」
美波は盟主になっても、判断は私に任せてくれる‥
盟主は2人で1つ、互いに同意しなければ賢人共は動かない、それを理解しているが故の私への一任。
「美波の意見にも従いますよ私は‥」
「‥‥私じゃまだ‥‥」
「それは思い込み、日本での私は美波の言葉に動かされた‥‥それを忘れていませんか?」
盟主と普通の人との間で揺れ動いていた私の背中を押したのは美波‥
『どちらでも仁科さんは仁科さんでしょう?』この言葉が私を動かした。