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第9章 香港ｰまさかの出逢い

「クソはどっちだよ、お決まりの捨て台詞を吐いて逃げやがって‥‥
おーいレンもう良いぞ！
怪我してるんだ、大人しく降りて来いよな」


「‥‥‥‥‥‥‥」


助けて貰ったけれど、私は私で何を言って良いのか分からず立ち尽くしたまま‥
違うと理解していても、似た声、似た姿に私は戸惑ってる‥‥見た目だけは櫻澤さんそっくりなのが、私を動けなくしているって分かる？


(日本人と中国人って、似た人が居ると良く言うよ‥
でもこんなに似た人が居るなんて‥‥‥櫻澤さんじゃ無いのに‥‥)


櫻澤さんは、あの爆発で死んだ‥
その事実は変わらない、仁科さんから見た記憶も、櫻澤さんが力尽き意識を失ったところまでで、その後に仁科さんが力で爆薬を強化した爆発‥‥そこで終わっていた。


だからこの人は別人、似た顔や声をしていても別人‥‥私が‥‥私が愛した櫻澤さんじゃ‥‥‥無い。


こんな運命の皮肉は辛い、分かっていても辛い、それは私の心の中に今だ櫻澤さんが残っているせい‥
だから辛いと思ってしまう、少し残酷だよこれは。