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契約的束縛・誘惑なる秘密
第9章 香港ーまさかの出逢い
∞∞∞∞∞
しっかりと帽子を被り直し、九龍の街を抜けやって来たのはビクトリアハーバーと呼ばれる海辺‥
本当は香港島と九龍を挟むこの海の事を指す言葉だけど、その海辺も同じように呼ばれる観光名所。
今の私は九龍側から香港島を見てる‥
近代化されたビルの輝きを‥‥
「・・・・・
どうしてなの、どうして似た人に逢っちゃったんだろう‥‥
イン・ウードゥ‥‥別人なのに‥‥」
怒りも通り過ぎれば、今度は落ち込みがやって来る‥
そっくりなのに別人、どんなに思っても櫻澤さんは居ないという現実。
心の隅へと努力したのに、あの人を見れば心がざわつく、出来る事なら二度と逢いたくないほど‥
起こさないで欲しい、封じたこの気持ちを‥‥‥
どれだけの時間こうして海を眺めていたのかな?
気持ちの整理が付かないと帰れない、そう思って此処に居たんだけど‥‥‥仁科さんが私を見付ける方が早かったみたい。
「‥‥探しました‥‥」
「ごめんなさい」
「無い事に怒りの波動が伝わって来ました、何があったんですか?」
「‥‥‥うんん、ちょっと人に絡まれただけ‥‥‥」
話そうかとも思った、でもギリギリで思い留まってしまった‥
だって仁科さんも同じ、櫻澤さんを無くして嘆いたのは仁科さんも同じだから、話さない方が良いと思う。
「・・本郷さんと宮野さん、今頃どうしているかな?」
「来て2日目で里心ですか?」
「くすっ‥‥さあ‥‥」
心を隠すように話を変えてしまったけど、本郷さんと宮野さんが気になるのは本当だよ??
みんな大切だから・・・・・