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契約的束縛・誘惑なる秘密
第12章 香港ー記憶の彼方
襲う暴力的力を片手だけで受け流し、反対の手で急所一撃‥
私自身はさほど力なんて入れていない、全て相手の力の反動での反撃。
「!!
そうウードゥさんは!?」
私の方に来た男達を全員気絶させて、ウードゥさんの方に振り向けば、何人かは倒れているけれど、ロウレンという男と対峙してる。
・・それも・・
「ロウレンっ!!」
「バカが‥‥‥」
向かって行ったウードゥさんを嘲笑うように、ロウレンの拳がウードゥさんに入った!
「なっ!?
くっっ!!」
それだけなのに、頬に拳一撃なのに、勢いに吹き飛ばされるウードゥさん!
今の‥‥力‥‥もしかして‥‥
それよりも!!
「ウードゥさん!」
家屋の壁まで飛ばされ、へたり込むウードゥさんに向かって、私の方が走る!
「逃げろっ!サザンクロス!!」
「っっ!!」
へたり込んでいる姿が、その口調が、蓋をした記憶を呼び覚ます‥
あの時の‥‥櫻澤さんとの記憶を‥‥
『行くんだ美波』
『・・必ず逃げ延びろ、俺の犠牲が無駄にならんようにな・・』
思い出す‥‥言葉‥‥
そうやって座り、自分を犠牲にして同じ言葉を言って‥‥‥‥
「‥‥‥‥‥‥嫌っっ!!」
私はもう、あの頃の非力な私じゃ無い‥
別人でも同じ顔をした人を二度も失いたくない!