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契約的束縛・誘惑なる秘密
第12章 香港ー記憶の彼方
「!?
何故急に火が!?!?」
「許さない‥‥
貴方もカイザーって人も許さない‥‥
私の大切な大切な者を傷付ける愚か者など、この世から消えてしまえば良いわ」
炎にのたうち回る人間を冷たく見詰め、唯一火の力を使わなかったロウレンという男を見定め‥‥
気になるの、肉体強化がどれ程なのか、私や仁科さんに危害を加えられるレベルか。
自然の力を使えば使うほど冷静になっていく頭‥‥
うんん違う、怒りの感情を持てば持つほど、私は冷たい盟主になってゆく、仁科さんと同じように。
「サザンクロス!
貴様さえ押さえれば!!」
「‥‥無駄よ‥‥」
拳を振り上げ向かって来たロウレン、でも拳は私に振り下ろされる前に、逆に私がロウレンの拳を掴んだ。
「この程度?
‥‥人体実験なんて所詮紛い物ね‥‥」
「な‥‥なっ!?
俺の腕力が効かん?
カイザー様から賜った俺のこの力が!!」
そう私は片手だけで、このロウレンの拳を押さえている‥‥
幾ら向こうが力を込めようが、私の腕力の方が上‥‥普通の人間より少し腕力が強いくらいで調子に乗らないで!
「これで全力なの?
期待はずれね、私の足元にも及ばないなんて‥‥敵わないのだから、この腕力は不要でしょう??
違うわね貴方自体が不要、だって私と私が大切と思う人達を傷付けた‥‥‥逆らう者には死の鉄槌を‥‥これがCross selsの不文律」