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契約的束縛・誘惑なる秘密
第14章 香港ーすれ違う心
仕掛けられたというのは気になるけれど、今の私が質問しても仁科さんからの返り討ち決定だよ‥
後ろめたくは無いとは思う、でも相手がウードゥさんというところで、話をして良いのか迷いもするの。
「向こうの言う事が本当でしたら、カイザーに会いましたね‥
確かに言われているように剛腕で、壁や床を軽々と破壊します」
「私を襲った人も腕力が高かった、でも私で簡単に押さえられる程度の腕力‥
多分壁や床を壊すほどの力じゃ無い」
「‥‥とすれば、やはりあれは本物‥‥」
仁科さん考え込んでしまった‥
カイザーって、仁科さんがそこまで考えるような人なの?
私はただ、考える仁科さんを見ているだけ。
「‥‥‥‥‥」
私の方も少し考え事‥‥
どうするべきなのかなウードゥさん‥‥
見た目とら裏腹に、あんな傷付いたウードゥさんを私は見捨てられない。
似ている似ていないの問題じゃ無い、あの傷付いた心‥
奔放と見せ掛けて思い悩む心が、私の心に触れた‥‥だってそれは日本に居た頃のみんなに似ていたから。
(多分みんな複雑、それは理解してる‥
一生懸命に過去にしようとしているのに、私が起こして良い訳が‥‥無いよ)
私も仁科さんも、本郷さんも宮野さんも、櫻澤さんの事に傷付き、そして思い出として閉じ込める方を選んだのに、私の勝手で揺さぶり起こすべきじゃ無いの。