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契約的束縛・誘惑なる秘密
第14章 香港ーすれ違う心
「お・・おいっ!
・・・泣くなよ・・・
俺は女の涙には弱ぇんだって・・」
「‥‥‥‥‥くすっ‥‥‥‥‥」
口は悪いけど、櫻澤さんと同じ言葉‥
笑いながらも涙が止まらないよ、その声で同じ事を聞けるなんて‥‥
もう一生無いと思ってた、二度と聞く事は無い、そうでしょう櫻澤さんはもう居ないんだから。
「笑って泣くのかよ・・たくっ・・」
「ごめんなさい‥‥
でもウードゥさんの言葉で、心が少し軽くなったよ‥‥
多分それはウードゥさんにしか出来なかった」
「・・似ているからか?」
それには、ゆっくりと首を横に振る‥
違うそうじゃない、ウードゥさんだったから、どう言えば分かって貰えるかな?
「‥‥確かに似ているせいもあったとは思う‥‥
でもね、ウードゥさんの本当の心に触れて、ウードゥさんの事が分かったせいもあるの、記憶が無いのに外では逞しく生きているウードゥさんだったから、ウードゥさんの言葉がストンと私の心の中に入って来た」
「俺の心か・・・
かなりの部分が空っぽだが、あんたに言われた通り、それが必要だったと思う事にした・・あんたのお陰だ」
「またあんたって‥‥
ちゃんと名前があります!」
「だがサザンクロスと呼んだら、辛く悲しい顔をしなかったか?」
「‥‥‥‥それは‥‥‥」