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契約的束縛・誘惑なる秘密
第14章 香港ーすれ違う心
「‥‥‥悠人‥‥‥」
「‥‥‥来るのは不味かったですか美波?」
私の呼び掛けに、木の影に佇んでいた仁科さんが姿を表して、少し複雑な顔‥
そうだよね、仁科さんの鋭い勘だったら分かる、男と一緒に居たって。
「‥‥‥うんん‥‥‥
多分もう、これっきりだから‥‥
何処に行くかは言わなかったけど、ちゃんとお別れは言って来た」
「良いんですかそれで?
美波が気になったのであれば‥‥」
「会っていたのは、仁科さんの話にもあったイン・ウードゥさん、敵か味方か分からない人は‥‥無理でしょう?」
「‥‥‥それは‥‥‥
美波の気持ちは分かります、似ていますからね‥‥主催に‥‥」
やっぱり仁科さんは知っていた、見た事があると言っていたもの、仁科さんだったら直ぐに気付く、櫻澤さんに似ている事くらい。
「似ているけど別人、それがハッキリ分かったよ、そしてウードゥさんと私では道が違う事も‥
でも悠人が知りたそうな情報は聞いて来た、ウードゥさんと言うより屋台の店主さん、だけど裏で情報屋もしている、主にツインドラゴン関係で」
「情報を聞く為では無かった筈です、更に言えば美波がイン・ウードゥに惹かれるのも仕方が無い事だと思います‥
私達の誰よりも、主催を愛していた美波ですから」
「悠人‥‥‥」