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契約的束縛・誘惑なる秘密
第15章 香港ー日本への伝(つて)
「1つでは流石に‥‥
やはり前と同じく、拠点を替えて歩くのが、一番安全ですからね」
確かにあの組は、全面的にCross selsの味方をしていた‥
ですがあれ1ヶ所では回らない、1県に1つとは言いませんが、それなりの数は確保したい。
「あれの大元か、潰した上杉組と同系なんだ‥‥厳しいな、周防のオヤジが首を縦に振るかどうか」
「周防のオヤジ‥‥ですか?」
それは私も初めて聞いた名前、確かオヤジとは組長を指す言葉だった筈。
「中継した組も上杉組も周防の傘下‥
周防一尊(スオウ イッソン)、日本でも3本の指に入る暴力団の元締めだ、日本中大小影響力を持つ‥
俺も会ったのは一度きり、しかも主催のお供だったからな、果して話を聞いてくれるか怪しい限り」
「面倒そうですね、日本の暴力団は‥」
「かなり崩れたが上はまだ礼を重んじる、正式な手順を踏まないと頷く事を良しとしない‥
主催はその手に長けていたが、俺はそれなりなんだ、暴力団の礼儀ってのが合わないと言った方が良いのか?」
「一番知っていそうな本郷さんがダメなら、全員ダメじゃん‥
仁科、日本の暴力団の礼儀って分かる?」
「幾ら私でも流石に分かりません‥
本当に何処かに良い伝はありませんかね?」
八方塞がりでしたか?
正に今の状態を言うんでしょう‥
周防一尊‥‥困りました。