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契約的束縛・誘惑なる秘密
第18章 日本ー山口で語る美波の過去
「美波‥‥両親の事は全く覚えていないのですか?その欠片でも??」
「‥‥‥いいえ‥‥‥」
私は弱々しく首を横に振るだけ‥
私は何も知らない、両親の事など何1つ‥
私の記憶の一番最初は養護施設の中、数人の子供と一緒に私も寝かされているところ、それが私の一番古い記憶。
「だけどさー
八神美波って名前は?」
「それも分からないの‥‥
保護施設の人が付けたのか、他の誰かが付けたのか私は知らない‥
気付いたらこの名前で呼ばれてた、私もそれが普通だと思ってた」
「それだと親が付けた可能性があるんだな美波?」
「調べてみましょうか美波?」
「‥‥うんん‥‥必要無いよ‥‥
今更両親と言われても私の方が困るし、向こうも同じでしょう?
‥‥‥一度も会う事が無かったんだから‥‥‥」
「「「‥‥‥‥‥‥‥」」」
これが社会に出る前に私が出した結論、親兄妹親戚は誰1人居ない、私は私だけでやって行く‥‥‥失敗したけどね。
「良いの、今はみんなが居るもの‥‥
私が大切なのは過去じゃ無く今、みんなと一緒にもう一度居心地の良い私達の場所を作る、それが私の全てだよ」
「そうですね、今はそれが全て‥‥
ですがこれだけは覚えていて下さい、血の絆というのは不思議な力がある、それが何時かは私にも分かりませんが、絆は切れる事は無いんです」
「‥‥‥‥‥」
この時私は仁科さんの言葉を話半分で聞いていた、血の絆‥‥それが私に起こす何かに気付かずに・・・