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契約的束縛・誘惑なる秘密
第18章 日本ー山口で語る美波の過去
そんなプチ観光と美味しい料理を堪能した帰り道、何時も通りに運転は本郷さんで宮野さんは助手席、私と仁科さんは後部座席で、磐田組へ帰ろうとしていた。
「‥‥‥美波‥‥‥」
「何ですか仁科さん?」
言おうか言うまいか迷っているような仁科さん、私何かしたかな??
「日本に来てから‥‥‥家族や両親という言葉に過敏に反応していませんか?」
「あ!それ俺も分かるー!!」
「それは!
‥‥‥私にはそんな経験が無いので、どう答えて良いのか分からないだけ‥‥
みんなと会うまで私はずっと1人だった、物心付いた時から回りにいるのは保護指導員と、私と同じ境遇の子供ばかり、保護指導員は仕事で、私達に愛情を持って接しているつもりでも、何処か仕事としての目をしてる‥‥
分かっちゃうんですよね子供って、大人が何を考えているか、私達が世間に迷惑を掛けなければそれで良い、子供同士ケンカしなければそれで良い、だから私達子供は何時も1人」
「「「‥‥美波‥‥」」」
あ‥‥あれ‥‥
私こんな事を言うつもりじゃ無かったのに、口を開いてしまった途端、養護施設時代を思い出してしまって、ずっと封じ込めていた昔の事を次々と話してしまう。
1人だった‥‥
大人が信用出来なかった‥‥
周りも信用出来なかった‥‥
心に傷を持っていた頃の私、両親の愛情に飢えた子供時代、封じ込め忘れたつもりなのに、仁科さんの言葉に溢れた思い。