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第19章 日本ｰ周防一尊という男

「せめて娘婿が生きておれば跡目は穏便に済んだだろうが、小さな抗争で死んでしまってな、そして娘も姿を消しワシの跡目は傘下の中から決めねばいかん・・
逆に言えば、これからのCross selsと一番強く繋がりを持つ者が、ワシの跡目として抜きん出よう」


「ですから周防老、俺では役不足です・・
せめて北代(ｷﾀｼﾛ)の兄貴が生きてさえ居てくれれば、俺にこんな話が回って来る事も無かった筈」


「「「「北代？？」」」」


こんな時は息が合うなコイツらはよ。



「周防老のお嬢さんの婿だった男だ・・
八神北代(ﾔｶﾞﾐ ｷﾀｼﾛ)、筋金入りの男で、俺達若い衆の憧れでもあった・・
あんたと苗字が同じなのは、本当偶数ってもんだな」


「‥‥‥はあ、そうですね？」


「どうして疑問形なんだか」


いまいち掴めないなこの女は、強いかと思えば自然体、そうかと思えば天然を醸し出す、捕らえどころの無い性格とは‥‥周りも苦労してんな。


「あっ、深い意味は無いんです‥‥
ただ私はどうして八神って名付けられたのか知らない、物心付いた頃には施設でそう呼ばれていただけ」


「施設とな？
お前さん親兄弟は居らぬのか？？」


「居ません、私は養護施設で育ち、親兄弟親類縁者そんなものには誰１人会った事も無いんです、ですから居ない‥‥でしょう？」