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契約的束縛・誘惑なる秘密
第19章 日本ー周防一尊という男
∞∞∞∞∞
「この世界では金沢は僻地での、上へ上へと望みのし上がり広島で漸く落ち着いたが、今でも故郷を夢見るものよ」
「思い出なんてありません‥‥
私に取って金沢は冷たい街、親が居ないと蔑まれ親が出来る子を羨ましく見ていただけ‥‥
もういいですか?質問には答えました」
「‥‥‥‥‥‥‥」
養護施設時代の話は、美波の心の琴線に触れる、そして親という存在の話も‥
そんな中でこの話、美波の心が頑なに拒否しているのを感じます。
「何、可能性の話じゃ・・
八神美登理というのはワシの娘の名での、八神北代が死んだ後、急に此処から飛び出し消えた・・
探したが見付からず、あの時美登理は何を考え失踪したのか、未だにワシにも分からん」
「‥‥‥‥‥‥‥」
「‥‥美波‥‥」
可能性の話ですか、ではこの場で可能性を確める方法が1つだけあります‥
ただ‥‥それをして美波の心が溶けるかは、甚だ謎ですが。
「周防老、古い家系と言いましたね?」
「仁科さん!?」
「ああ言うた・・
周防の家系は江戸の前から存在していたと伝わっておる、江戸の更に前平安の世から存在していたとも・・あやふやな話じゃ・・
ただ言い伝えは残っておる・・
平安の世の時代、ワシの祖先は遣唐使に選ばれ、そして二度と戻っては来なかった、それを憂いた帝が周防の家を大切にしたと・・子供の頃の寝物語よ」