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契約的束縛・誘惑なる秘密
第20章 日本ー因果応報
「本当の事を言っても栓無き事、その程度の倫理は私にもあります‥
恋い焦がれたですか‥‥私の子供時代は無感動の子供でした、焦がれるものも欲求も薄い子供、美波の方が普通なんでしょう、人誰でも肉親は欲しいものです、美波は大人になってしまっているせいで、欲求よりも増悪の方が強くなってしまった」
「‥‥‥そうかも知れないです‥‥‥
待って待って待って、それでも現れなくて私は諦めた、冷たいあの場所を捨てる事で、私は私自身を納得させたんですよね‥
分かっていても、心は追い付かないんです仁科さん」
それが美波の心の傷、本音はこの傷すらも癒してあげたい私の心、こう思えるようになったのも美波のお陰だというのに、どう言えば理解して貰えるでしょうか?
転がっていた躰を起こし美波を見れば、美波は私を見る事無く正面を向いたまま‥
そんな辛そうな美波の頬を、つい触れてしまう私。
「仁科さん??」
「‥‥‥‥‥
1000年以上自分の心に迷いがあった私が言うべきでは無いかも知れませんが、もう少し肩の力を抜いて考えても良いのではないかと‥‥
今の美波を見ているのは私も辛いんです、今更話と言うのであれば、ただ"居た"でも良いんですよ」
「ただ"居た"‥‥確かにそう考える方が楽、今更だもの」