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契約的束縛・誘惑なる秘密
第21章 日本ー遺物の秘密とルークの葛藤
「アリアンを安心させる為にも、この男は邪魔です
それに何故禁止してある遺物の欠片に触れたかも気になるところ」
「邪魔者‥‥始末致しますか仁科様?」
ルークは男を捕まえたまま、無表情に私がルークに渡してある銀の宝剣の双刃を引き出している。
邪魔者を殺るのは構わない、ですが本郷さんや宮野が居る前で殺るのも多少の問題が生じてしまう、それに殺ってしまうと男が何故遺物に触れたのかが分からなくなってしまう恐れも存在。
「お待ちなさいルーク、その男は私に‥‥
何故遺物に触れたのか探って見ようと思います、殺るのはその後で結構」
「畏まりました」
ルークは刃を収めただ男を捕まえているだけに留めましたか、それでも男がルークから逃れる術は無い。
賢人として本気になったら躊躇い無く力を使う、これもルークの特徴。
「美波はアリアンを頼みます」
「仁科さん」
「この手は私の領分です、人間に手を掛けるなど美波には似合いません
汚れ仕事は私で良いんですよ」
そう、私はこの程度で動揺などしない、もっと酷い事は幾らでもやって来たんです、今更取り繕っても過去に私が犯した事実が消える訳も無く、こんな事は美波より私なんでしょう。
「何時までもこのままでは本当に地下が崩壊します、おどきなさいルーク私が直接この男の記憶を見ますので」
穏和になったとは言っても私は私、躊躇い無く男に近付き首筋に触れ力を使う。
有無を言わさぬ精神と記憶を支配下に置く力を。