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契約的束縛・誘惑なる秘密
第21章 日本ー遺物の秘密とルークの葛藤
***
「ルーク、服貸してくれる?」
「アリアン様?また大人の姿になられるつもりですか?」
後始末が終わり、付いた血を拭う為に一度自室に戻ったところにアリアン様が飛び込んで来た。
「だって子供の姿じゃ不自然だって言うし、大人の姿だとルークの服が丁度いいわけだし」
「はあ、それは構いませんが……」
八神様が来てから、アリアン様は大人の姿を多用するようになった。
それ自体に自分は口を挟めるわけではない。なにせアリアン様は遺物の意識体なのだから、仁科様・八神様と同じくCross sels内、誰1人文句も逆らう事も出来ない立場。
いや、そもそもアリアン様に立場など必要なのだろうか?
盟主に従い遺跡を護るのが、我々の存在意義。
必然的にアリアン様を護るのが当たり前だが、当のアリアン様は呑気に過ごしている方が多い。
「黒服で宜しいのでしょうか?」
「うん、その方が馴染むでしょう此処に」
「はあ、確かにその通りです」
予備に置いてある自分の黒服一式をアリアン様に差し出せば、納得がいった顔でアリアン様の姿が変わってゆく。
子供が大人になる成長を早送りしているようなアリアン様の変化。
スラリとした肢体と、亜麻色の少しウエーブが掛かった短い髪、そして一番の特徴は多少豊満気味のその両胸。
「ルーク!なにか胸を押さえる物ー!!」
「あ、えーさらしのような物で宜しければありますが……」
「さらし?白くて長い布……
そっ、それで良いよ」
そろそろ自分も見慣れたというか、女性のようで男性のようで、そのどちらでもないのがアリアン様。
胸を両手で隠して自分を睨むのもお馴染み。